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「邪魔しなければ死なずに済んだのにな」
そういった男の背後に人の気配がした。
驚いて振り向くとそこには「何か」がいた。
爪先から首まで黒色で統一されたその服装は、見る者に恐怖感を与える。
しかし、その服装以上に恐怖を感じるのが「瞳」だった
光を映さない漆黒の瞳に感情を感じない眼差し
その瞳に見つめられた瞬間男の体は恐怖で動かなくなる、歯がガチガチなり、手は震え、脂汗が止まらなくなった。
「だ、誰だお前は」
男が聞くがその声は震え、とても弱々しいものだった。
その問いに「黒衣の男」が答えた、が、それは男にとって予想もつかない答えだった。
「お前がそれを知る必要はない、お前は此処で死ぬのだから」
一瞬、男はその言葉が理解できなかった。
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