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放課後、私は屋上に向かう。
一緒に帰ろうという里香の申し出を断り、一人で此処に来た。
里香まで危ない目に遭わせる訳には行かない。
恐らく、私の口封じのをするために呼んだのだろう。
「けど、私にだって」
そう呟きながら、ポケットにさわる。もしもの時の為に防犯ブザーを持ってきた。
大した効果はないだろうけど、音がすれば誰かが気付くだろう。そうすればただでは済まない。
仮に私が殺されても短時間で死体を隠すのは不可能だし、死ななかったら私が言えばいいだけだ。
私が作戦を考えているうちに屋上に着いた。
気が付くと手に汗をかいている。それだけ緊張しているのだ。
「大丈夫」
扉に手を掛ける。
ガチャ
扉を開くと彼がいた。
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