さようなら日常、そしてこんにちわ非日常

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「アリサも朝から随分とすげぇな」 「まあね」 上之宮家は世界でも屈指の財閥だ。 それは一般の私物から政府機関まで、ありとあらゆる所に精通している。 このアリサはその実の娘。 ゆくゆくは会社を継ぐらしい。 それには世間を知らねばならないと親から言われて、将紀の通う高校に来た。 「おはようございます。アリサ先輩」 「おはよう悠」 仲睦まじく、挨拶を交わす。 「ところで間に合うのかしら?」 ニコニコとアリサは意地悪く笑う。 現在8時25分。 タイムリミットはあと5分。 「何が言いたいんだよ?」 「簡単よ。乗って行きなさい」 「はい?」 何を言い出すか分からなかったが、突然リムジンの屋根が開いた。 そこから巨大なマジックハンドが出てきて、将紀と悠の体を掴む。 「「えっ!?」」 兄妹は未だに現状が理解できない。 「「えぇぇぇえええっ!?」」 理解した時にはそのままリムジンに乗せられていた。
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