さようなら日常、そしてこんにちわ非日常

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時間は進み、昼休み。 「さて、昼飯にしますか」 「だな」 アオガミの言葉に頷いて将紀も昼の準備をする。 アオガミは売店の焼きそばパン、将紀は妹の手作り弁当である。 「しかし、悠ちゃんはハイスペックだね~」 「なんかその言い方はムカつくから止めろ」 弁当を取り出し、蓋を開けてオカズと対面しようとした時…… 『え~、2年B組の上代将紀君、2年B組の上代将紀君、大至急生徒会室まで来て下さい』 『ピンポンパンポ~ン』というリズムが辺りに流れて余韻を残す。 「はあ、やれやれ」 蓋を開ける手を止めて片付ける。 「また呼び出しか、生徒会でもないのに大変だな」 「言うなアオガミ、虚しくなる」 先程言っていたが、別に将紀は生徒会に所属していない。 基本的に生徒会長である『上之宮アリサ』に雑用で呼び出される。 今日は朝の借りもあるので無下にもできない。 「行って来るわ」 「頑張れよ~」 弁当片手に教室を出る将紀に精一杯の励ましが送られる。 妹の手作り弁当のオカズと対面できるのはもう少し後になると確信できた。
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