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「なぁ、悠尋…?」
ふと名前を呼ばれて振り向く俺は、当時16歳の高校1年生。名前は久遠悠尋(クオン ユズル)そして俺の名を呼んだのは、穂乱朔翔(ホラン サクト)
「なんだよ、朔翔?」
「んー、何でもない(笑)」
「何でもないなら呼ぶなッ」
なんて他愛もない会話だけで盛り上がる2人は、昔からの親友だ。
俺が小学生の頃、朔翔の通う学校に転校し、仲良くなった。そして、たまたま家も近所で中学も同じだったため、今では仲の良い兄弟のように何でも分かり合える仲間だ。
「あ、思い出した!!?」
「なんだよ、いきなり…。耳元でデカい声出すな…!」
朔翔の『あ、思い出した』はロクなもんじゃないんだから…。なんて内心思いながらも一応は横で聞いていた。
「聞いて驚くなよ!!今週の日曜日は合コンだッ!!」
「いってら……」
女に興味ない俺は、合コンなんかいつもパスしていた。
損をするのはいつも男だけだから……。
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