エピローグ

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逃げ惑う人々達の声や 猛々しい叫び声はもう聞こえない。聞こえるのは地獄からの声だけ…。 地獄の釜は開かれてしまった。【デッドマン・ウォーク】から6日。街を閉ざし、国を閉ざした。 もはや私しか生き残りは居ないのか、救援はまだなのか。 軍隊、警察は完全に途絶えてしまったのか。食料も水も残り少ない。 ライフラインは完全に停止している。当たり前の生活… なんて物は遠い昔に感じられた。 道端に乗り捨てられボロボロになった車、簡易的なバリケード、空き缶や空き瓶の数々と色々な“ビラ”。赤と緑の血。そして様々な死骸。 バリケードで囲まれたボロボロの家から一人の男が出て来、ゆっくりとドアを締める。 心無し寂しげな顔をしていた。 「……よし。」 加えていたタバコをゆっくり地面に落とし、靴で消す。 一人の男が立ち上がり動き出した。辺りを見回し、ゆっくりと一歩ずつそして力強く踏み出した
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