4月の憂鬱

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    何時もと変わらない日常。 言い方を変えれば、 何も感じることの出来ない日常。          「咲歌ーっ!!」   私を呼ぶ、由花の声。   これも何時も通り。    「ちょっと咲歌っ!!無視しないでよっ!!」 「御免なさい。余りにも五月蝿かったから。」 「何よそれー!!」   笑いながら、由花は私の横に並んだ。    「ねっ、見てコレ!新作だよー!めっちゃ可愛いくない?」 「どれ?」   由花は雑誌のページを指す。 其処には、読者モデルが可愛らしい洋服を着て写っていた。 春らしい淡いピンク色のワンピース。 頭には、ワンピースとお揃いのヘッドドレス。    「可愛い・・・。」 「でしょー?きっと咲歌に似合と思うんだー!!ね、今度一緒に買い物行こっ?」 「バイト代が入ってからね。」 「えー・・・。今日にでも行きたいんだけどなぁ。」 「・・・。」 「だってさ、今日は午前中授業で、午後は暇じゃん?それに、この服、新作だから、すぐ売り切れちゃうよ?」 「・・・。」 「ねっ?お願い!!アタシも新しいワンピース買いたいのー!!」 「一人で行きゃいいじゃない。」 「イヤ。ねっ、どうせ暇なんでしょ?」 「仕方ないなー。」 「やった!!ありがと★」
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