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希望の喪失・新たな決意
翌日から働き始めたアンシェロントはそれから、職を点々とした。
その問題は、彼女の行動にあった。
普段はしっかりしていて、料理も上手くて掃除もしっかり出来るアンシェロントなのだが、何故だか仕事となると、失敗ばかりした。
最初の、魔導商品を扱っている雑貨屋では、魔導初心者が使用する売り物の杖を折ったり、薬品の瓶を割ってしまった。
薬品はとても高価な値だったのだが、
―――借金なんて言ったらジェロに怒られちゃうよぉ~。
その言葉に、店主は顔を青くした。
―――じぇ、ジェロって…あの、魔導騎士隊の……!? な、何言ってんだい。こ、こんなの安いもんだから。弁償なんていらないさぁ。
とても慌てた様子でそう言い、弁償は免除された。
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