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忘れかけていた彼女の泣き声を聞き、涙を見たジェルブロートは、しっかりと彼女を抱きしめ顔をゆがめた。
「アンシェロ…」
「あれぇ? ジェロとアンシェだぁ」
そこへ、ケイトののんびりとした声が聞こえてくる。
やばいと思うジェルブロートだが、泣いているアンシェロントを、今はどうしようもない。
「なんや、そないなところに居たん? 仲良い兄妹やなあ」
抱き合っちゃって、とからかってくるラングビに、ジェルブロートは顔を向けず、アンシェロントを持ち上げる勢いで立ち上がった。
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