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彼女のその目に、皆が言葉を飲み込む。
が――
「駄目だ」
やはり、ジェルブロートは反対の意を態度でも示した。
以前アンシェロントが働くと言い出したときと同じように、そっぽを向き、決して彼女を見ようとしない。
「なんで駄目なのよ! あたしが弱いから…とか、そう言うんでしょ。でもあたし、運動神経は良いもん。
小さい頃からみんなに着いて歩いて、危険な場所にも行ったりした。だからそれなりに力は付いてるよ。魔導はケイトやシドゥに教わってるからまぁまぁ出来てきてる。それに、剣はジェロが教えてくれるって言ったじゃない。
だから、あたしも役に立ちたい」
「おまえは、命を捨てることに覚悟はあるか」
冷めた声音で尋ねられ、アンシェロントはぐっと押し黙った。
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