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マサトは駅に着いた。
やはり誰もいなかった。
一応辺りを見渡してみたが何の発見もなかった。
普段人が賑わうべき場所であるはずの駅に誰もいないというのは他の場所以上に不気味であった。
そしてその駅もやはりついさっきまで人がいたような雰囲気を醸し出していた。
まるでマサトが来るのを人々が予期し、それに合わせてついさっき隠れたような感じだった。
マサトは駅のホームへ上がった。
電力が生きているなら電車はどうなのかと思ったからだ。
町な様子から考えると電車もどこかの線路上に止まっていると考えるのが妥当な気がした。
しかし、確認せずにはいられなかった。
マサトは時刻表を確認し、電車を待った。
電車はいつまで待っても来なかった。
気付いたら夕方になっていた。
予想していたことだったのでマサトはさほどショックは受けなかった。
おそらくどこかの線路上で止まっているのだろう。そしてその電車の中にも誰もいないのだろう。その程度の感情しか湧かなかった。
マサトは深いため息をつき駅を後にした。
どこかで午後六時を告げるサイレンがなった。
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