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「え?」
キョトンと首を傾げるフランツ。
開始早々会話が噛み合わない。
「えっと、魔法…知らないの?」
不思議そうに尋ねてくる。
「はぁ?」
またもや凛子は、フランツを小馬鹿にした様に肩を竦めて見せる。
みちるや愛も顔を見合わせ、首を傾げた。
「何よ。
どこぞのファンタジーでもあるまいし。
あんたは使えるって言うの?
なら、火でも何でも出してみなさいよ。
馬鹿らしい」
呆れ果てる凛子。
だが。
「あ…はい。
別にいいですけど…」
フランツは胸の高さで平手を上に向ける。
「<アギカラー>」
フランツの平手先の空中に、火の塊が出現した。
「「「っ!」」」
3人は驚きのあまり、声を失って火の塊を凝視する。
「え…っと」
あまりに食い入る様に見られ、フランツは反応に困った。
「け、消すよ?
<イン>」
言葉の後、火が消失した。
暫し言葉を失っていたのだが。
「へ、へぇ~、や、やるじゃない…
そ、その…あんた。
他にも、出来るの?」
その後暫く、フランツのマジックショーは続いた。
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