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「ああ…確かに僕は1人で研究しているけど、国が契約している魔導師は僕だけじゃないからね。
国自体にも研究機関はあるし、様々な人がこの課題に取り組んでるんだ。
僕は、その1人に過ぎないよ」
「なるほどね…」
フランツの返答に、凛子は納得した様子。
「で、前置きがここまでなんだけど、後ろの2人は理解してくれたかな?」
「う、うん」
「何と無く~」
みちると愛が頷く。
「それでなんだけど、ここで君達だ」
「え?」
いきなり話を振られても、脈絡が無かった。
「君達の足下に在るその魔法陣が、『転移』を使用する為のものなんだ。
試行錯誤を繰り返して作ってた、未だ開発途中の代物なんだけどね」
「え…」
3人は改めて足下を見やる。
エメラルドに淡く輝く、不規則に並ぶ記号の羅列。
それを2重のエメラルドの円が囲む。
3人は、その内側に居た。
「な、何で私達がその魔法陣の中に居るのよ!?」
「それを今から説明するよ」
フランツは困惑した様子で、続きを語り出す。
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