リスタート

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「どういう意味?」 凛子の問いに、フランツは一度頭の中を整理し、口を開いた。 「『存在位置』。 先程言ったこれは、どんな存在にも、唯一無二のものとして定められている。 1つの存在に1つの『存在位置』。  これは絶対の法則だ。これを逸脱するなんて有り得ない」 フランツは凛子を、そしてみちると愛を順に見ていく。 「だが、今の君達は違う。 1つの『存在位置』に、君達3人が“重複”している。 これは、非常に危険な状態だ」 きつく、そして真摯な眼差しは緊張感を持たせる。 彼の言葉は、恐らく真実。 それが伝わるから。 「…どう危険なの?」 だから、凛子もフランツの真剣さに応える。 「前に、『転移』の研究をしていた1人が、事故を起こした。  些細な術式の構築ミスだ。 だが、変換組成が狂い、周囲の人々の『存在位置』をも曖昧にした」 「…どうなったの?」 言葉を切ったフランツの様子からは、最悪の結末を予感させた。 「消えたよ。  身体の一部を残してね」 静かに語られたそれを前に、3人は背中に冷たいものを感じた。
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