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みちる達は遺跡から数日がかりで、拠点にしているこの国の王都に戻ってきていた。
煉瓦造りの大きな西洋風の建物が建ち並ぶ。
世界は違えど、人々の繁栄や技術には似通ったケースが見て取れた。
盛んに商いが行われ、多くの人々が行き交う。
『まずはギルドかな?』
「そうね。
クエストも兼ねてたから、さっさと報告を済ませましょ」
みちるの声に応える凛子。
今は凛子が表出ていた。
「おお。
“アトラシア”じゃねぇか。
クエストはどうだったよ?」
「私達を誰だと思ってるの?
楽勝よ」
ギルドに来て早々、1階のラウンジ兼酒場で見知った冒険者に声を掛けられる。
「“アトラシア”!
お帰り~」
「久しぶりだな。
生きてて何よりだ」
「マジか!?
あの“タガンザ”を倒せたのか!?」
「当たり前よ」
次々と屈強な男達に声を掛けられ、凛子は軽口で応える。
凛子達はこの冒険者ギルドでは有名で、人気もある模様。
だが、彼女に笑い掛ける者や、或いはちら見しながらヒソヒソ話す冒険者達の中にあって、凛子の様な小柄で華奢な少女は浮いていた。
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