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叩き付けられる斬撃を両の爪で受けるものの、魔物は後方に弾かれ壁に激突する。
魔物が怯み距離が空いた瞬間、少女のいる空間が揺らぎ、その姿を変えた。
肩まである茶髪と、跳ねた前髪が愛嬌を醸し出す。
袖の大きなショートのワンピースを着こなし、金糸で縫われた鳥の羽の模様が映えていた。
見開かれた紺の瞳はやや大きく、浮かべた笑みは可憐であり清明。
先程の少女とはまったくの別人がそこにいた。
「<クリティカルソード>!
<ガードナー>!
<リフレクション>!」
連続で事前に構築していた魔法を発動する。
先に居た少女の光剣は、今この魔法を唱えた少女の手に在った。
それが、赤いオーラを纏う。
更に、少女の両サイドの空中に青光と桜光の盾が出現する。
瞬間、再び空間は歪み、前の活動的な少女に姿を変えた。
赤きオーラを纏う光剣を手に、再び少女は魔物に挑む。
一気に疾駆し、間合いを詰めると上段からの剣閃を放つ。
魔物はそれを慌ててサイドステップで回避、魔物の背にしていた石壁の残骸を、少女の光剣が破砕する。
即座に少女は追い縋るが、魔物は手の平から熱量を圧縮した熱線を放った。
正面から向かっていた少女は、桜光の盾を前面に配置して防ぎきる。
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