アタック!

3/13
前へ
/60ページ
次へ
叩き付けられる斬撃を両の爪で受けるものの、魔物は後方に弾かれ壁に激突する。 魔物が怯み距離が空いた瞬間、少女のいる空間が揺らぎ、その姿を変えた。 肩まである茶髪と、跳ねた前髪が愛嬌を醸し出す。 袖の大きなショートのワンピースを着こなし、金糸で縫われた鳥の羽の模様が映えていた。 見開かれた紺の瞳はやや大きく、浮かべた笑みは可憐であり清明。 先程の少女とはまったくの別人がそこにいた。 「<クリティカルソード>!  <ガードナー>!  <リフレクション>!」 連続で事前に構築していた魔法を発動する。 先に居た少女の光剣は、今この魔法を唱えた少女の手に在った。 それが、赤いオーラを纏う。 更に、少女の両サイドの空中に青光と桜光の盾が出現する。 瞬間、再び空間は歪み、前の活動的な少女に姿を変えた。 赤きオーラを纏う光剣を手に、再び少女は魔物に挑む。 一気に疾駆し、間合いを詰めると上段からの剣閃を放つ。 魔物はそれを慌ててサイドステップで回避、魔物の背にしていた石壁の残骸を、少女の光剣が破砕する。 即座に少女は追い縋るが、魔物は手の平から熱量を圧縮した熱線を放った。 正面から向かっていた少女は、桜光の盾を前面に配置して防ぎきる。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加