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「よお、お前が“アトラシア”か。
大層な通り名を持ってるな」
「誰よあんた?」
不意に凛子の前に出てくる、横柄な男と数人の柄の悪い男達。
「なんだったかな?
“アトラシア”って、確か創成の女神の1人で、変化と幻惑を司る名だろ?
何でお前みたいな小娘が」
「何が言いたい訳?」
かなりの体格差をものともせず、高圧的な態度を崩さない。
「ちと期待してたんだけどな。
嬢ちゃんの通り名は、近隣にも知られてる。
でもがっかりだぜ。
こんなお子様とは…
子供はお家に帰って、母ちゃんにでも甘えてたらどうだ?」
取り巻きの男達が下品に笑う。
彼女を知る周囲の冒険者達は、敢えて仲介に入ろうとはしない。
これから起こる事が分かっており、楽しみでもあるからだ。
「馬鹿じゃないの?
只の子供がこんなとこにいる訳無いじゃない。
聞こえなかった?
私達は、“タガンザ”を相手に出来るのよ?
ここじゃ私達の方が格上。
足りない脳みそでもう少し学習したら?
この三下」
あまりに容赦の無い言動に、硬直する男達。
周囲から失笑が漏れる。
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