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「来るよ」
みちるが身構え、最初の魔物を含めた3体が一斉に飛び掛かった。
刹那、更にみちるの姿が揺らぎ変化する。
顕現したのは、ブロンドのロングヘアーに淡いブルーの瞳を持つ流麗な美少女。
フリルの付いた白のワンピースが、色気の中に少女らしい可愛らしさも主張する。
「喰らいなさい。
<アイシクルピラー>!」
凛子が魔法を発動すると、彼女の周囲の地面を突き破り、おびただしい量の氷柱が出現する。
鋭利な氷柱に貫かれ、1体が絶命し、残り2体も直撃を避けたものの、身体の数ヶ所に裂傷を負った。
「<スプリット>」
凛子の次いだ魔法で氷柱が細かく分裂してゆく。
「<ドライブ>」
分裂した氷柱が、幾数の氷刃を成し、空中を飛来する。
慌てて距離を取る魔物へ、凛子の鋭い眼光の示すままに、氷刃が強襲した。
「ウギ、ィ…」
氷刃の雨で更に1体を葬り、みちるに切り傷を負わされた1体だけが残る。
「ガアアアッ!」
魔物は迫る氷刃を熱線で迎撃し撃ち逸らしていく。
高熱量に晒されながら、氷刃はさして溶解していない。
単純な氷ではない様だ。
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