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純二も、そんななおみを姿が見えなくなるまで見送っていた。名古屋駅に着くと、もうみんな集まっていた。
孝行
「先生、遅くなってすみません」
担任
「全員いるな」
孝行
「…なおみだけ置いてきました。純二さんと離れたくないって」
担任
「なに?」
しばらくすると、なおみの姿が見えた。
担任
「いるじゃないか」
孝行
「なおみの心境を言っただけです」
担任
「…そうか。別れを惜しんできたのか」
守
「もうイチャイチャして、当てられっぱなし。俺たち、邪魔者扱いだよな」
こずえ
「でも、なんかいいもの見せてもらったって感じ。私もあんな2人を見習いたい」
全員揃ったので、新幹線に乗った。新幹線は走りはじめ、一路東京へ。なおみは、新幹線のなかで、ずっと外を見ながら物思いに耽っていた。
こずえ
「なおみ、お菓子食べる?」
なおみ
「…」
こずえ
「なおみ?」
なおみ
「あ、ごめん。なに?」
こずえ
「どうしたの?さっきから呼んでるのに…」
なおみ
「ごめんごめん。思い出に浸ってたの」
こずえ
「竹本さんのこと?」
なおみ
「うん。またしばらくの間会えないから、いつまでも思い出せるように、頭に焼き付けてたの。昨日と今日のこと、しっかり思い出してたの」
こずえ
「そうよね。私は俊ちゃんといつでも会えるけど…」
なおみ
「あ~あ、疲れちゃった。東京まで2時間あるから、少し寝ようかな」
こずえ
「うん」
なおみは、純二との再会を夢見ながら一眠りした。
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