10人が本棚に入れています
本棚に追加
電話は、捜査課の山本課長に回された。
山本
「はい、捜査課、山本」
英雄
「東京港署の北原と言います」
山本
「あっ、北原さん?俺です、山本雄三です」
英雄
「おぉ、山本か。懐かしいなぁ。元気か」
山本
「はい、北原さんもお元気そうで…。何年振りでしょう」
山本とは、15年前山本が新人警官として英雄と同じ部署に配属になり、ペアを組んでいた。
英雄
「実はな、そっちに竹本という奴がいるだろう。以前うちの部署にいたんだ。どうだ?頑張っているか?」
山本
「はい、しっかりやってますよ」
英雄
「そうか、それならいいんだ。まぁ、今後とも頼むよ」
山本
「はい、わかりました」
英雄
「今いるだろうか」
山本
「はい、代わります」
山本は純二を呼び寄せた。
純二
「もしもし、竹本です」
英雄
「私だ、北原だ」
純二
「署長!ご無沙汰してます」
英雄
「この間は世話になったな」
純二
「いえ、こちらこそお気遣いありがとうございました」
英雄
「いや、礼をしようと思っても、あれくらいしか思いつかなかったもんでな」
純二
「大切に使わさせていただきます。それより、今日はどうしたんですか?」
英雄
「しばらくするとなおみが厄介になるが…」
純二
「その事でしたら僕も楽しみにしてるんです」
英雄
「君の部屋に泊まると言うんだが、いいかね」
純二
「僕は差し支えありません」
英雄
「だが、その…」
純二
「わかってます。約束ですから」
英雄
「そうか、それなら信用しよう。すまんがよろしく頼む」
純二
「わかりました。それでは失礼します」
そして、いよいよ四日市へ出発の日。しかし、今日は8月6日。純二との約束の日は7日だったが、待ちきれず、今日行くことにした。しかし、純二には内緒にしてある。
なおみ
「それじゃ、パパ、ママ、行ってきます」
良子
「気をつけてね」
英雄
「竹本くんに迷惑かけるんじゃないぞ」
なおみ
「は~い」
その頃、四日市北署の純二は、なおみがもうすぐ来るため、最近毎日のようにニタニタしていた。
純二
「いよいよ明日だな。早く明日が来ないかなぁ。名古屋駅で感動の再会。なおみは俺を見つけると、俺に飛びつくだろうな」
最初のコメントを投稿しよう!