夕陽の中で 第4章

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純二 「みんなフリーパスでいいな」 なおみ 「何?それ」 純二 「乗り放題券」 なおみ 「それがいい」 純二 「じゃぁ買ってくるから、ここで待ってて」 こずえ 「あっ、竹本さん。自分たちで払うから…」 純二 「いいよ。俺が出してやるよ」 こずえ 「でも…」 純二 「いいんだよ。その分もっとお土産買えるだろ。俺はこっちにいるから、普段お前たちに何もしてやれない。だから、こっちに来た時くらい世話させてくれよ」 なおみ 「純二さん…。ありがとう」 守 「中では自由行動でいいだろ。せっかくのチャンスだから、なおみ、しっかり竹本さんに甘えさせてもらえよ。2人きりにさせてやるから」 純二 「守くん…」 なおみ 「ありがとう」 守 「…これでキスの償い出来るかなぁ」 純二 「十分だよ。ただし、今後はダメだからな」 守 「わかったよ」 智子 「じゃぁ私たちは4人で行動しましょ」 孝行 「よし、じゃ売店の前に集合ってことで、何時にする?」 純二 「そうだなぁ、3時にしよう。そしてお土産買って、3時半に出れば間に合う」 守 「じゃ、そういうことで。行くぞ、みんな」 純二 「俺たちも行こうか」 なおみ 「うん」 なおみと純二は、久しぶりにデート感覚で楽しんだ。しかし、時間が経ち、別れの時が近づいてくると、次第になおみの様子が暗くなっていった。 純二 「どうした?疲れたか?たくさん乗ったもんな。少し休もう」 なおみ 「…うん」 純二は、空いているベンチを探し、なおみを座らせた。 純二 「ソフトクリームでも食べようか。買ってくるからここで待ってて」 なおみ 「…うん」 なおみは、気を使ってくれる純二の優しさを感じ、涙が溢れそうになる。しばらくすると、純二が両手にソフトクリームを持って戻ってきた。 純二 「はいっ」 なおみ 「ありがとう。…おいしい」 いつの間にか涙を流す。 純二 「どうしたんだ。泣くほどうまいか?このソフトクリーム」 なおみ 「…うん」 なおみは、純二を心配させまいと、涙を流しながら笑顔で言った。 純二 「なおみ…」 しかし、なおみは我慢できずに泣き出してしまった。
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