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純二
「みんなフリーパスでいいな」
なおみ
「何?それ」
純二
「乗り放題券」
なおみ
「それがいい」
純二
「じゃぁ買ってくるから、ここで待ってて」
こずえ
「あっ、竹本さん。自分たちで払うから…」
純二
「いいよ。俺が出してやるよ」
こずえ
「でも…」
純二
「いいんだよ。その分もっとお土産買えるだろ。俺はこっちにいるから、普段お前たちに何もしてやれない。だから、こっちに来た時くらい世話させてくれよ」
なおみ
「純二さん…。ありがとう」
守
「中では自由行動でいいだろ。せっかくのチャンスだから、なおみ、しっかり竹本さんに甘えさせてもらえよ。2人きりにさせてやるから」
純二
「守くん…」
なおみ
「ありがとう」
守
「…これでキスの償い出来るかなぁ」
純二
「十分だよ。ただし、今後はダメだからな」
守
「わかったよ」
智子
「じゃぁ私たちは4人で行動しましょ」
孝行
「よし、じゃ売店の前に集合ってことで、何時にする?」
純二
「そうだなぁ、3時にしよう。そしてお土産買って、3時半に出れば間に合う」
守
「じゃ、そういうことで。行くぞ、みんな」
純二
「俺たちも行こうか」
なおみ
「うん」
なおみと純二は、久しぶりにデート感覚で楽しんだ。しかし、時間が経ち、別れの時が近づいてくると、次第になおみの様子が暗くなっていった。
純二
「どうした?疲れたか?たくさん乗ったもんな。少し休もう」
なおみ
「…うん」
純二は、空いているベンチを探し、なおみを座らせた。
純二
「ソフトクリームでも食べようか。買ってくるからここで待ってて」
なおみ
「…うん」
なおみは、気を使ってくれる純二の優しさを感じ、涙が溢れそうになる。しばらくすると、純二が両手にソフトクリームを持って戻ってきた。
純二
「はいっ」
なおみ
「ありがとう。…おいしい」
いつの間にか涙を流す。
純二
「どうしたんだ。泣くほどうまいか?このソフトクリーム」
なおみ
「…うん」
なおみは、純二を心配させまいと、涙を流しながら笑顔で言った。
純二
「なおみ…」
しかし、なおみは我慢できずに泣き出してしまった。
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