夕陽の中で 第4章

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純一は、なおみの快気祝いの次の日から野球部に入った。それは、少しでもなおみのことを忘れるため、なにかに打ち込もうと思ってのことだった。 キャプテン 「集合!」 みんな 「うぃ~っす」 なおみ 「こずえ、部室の掃除に行ってくる」 こずえ 「うん。じゃ、私はボール磨いてるね」 なおみ 「うん」 部室では、遅れてきた孝行と純一が着替えて出てくるところだった。 純一 「あっ」 なおみ 「あっ、…も、もう始まってるよ」 純一 「急ごうぜ、孝行」 孝行 「あ、ああ」 なおみ 「あっ、孝行、待って」 孝行 「なんだよ」 なおみは、純一に聞こえないように、小さな声で孝行に言った。 なおみ 「さっきの事なんだけど…」 孝行 「あ…、純一、ごめん、先に行ってて」 純一は、なおみと何かあるのかと思いながら返事をして、走ってグランドに向かった。 それを確認して、なおみは孝行に聞いてみた。 なおみ 「聞いてくれた?」 孝行 「ああ、あいつはお前が勘違いしてるって」 なおみ 「…」 孝行 「純二さんと縒りが戻った嬉しさから、そんな風に感じるんじゃないかって」 なおみ 「そうかなぁ」 孝行 「気にするなよ。いつも通りにしてみて、それでもまだ冷たいって感じるようだったら、また言えよ。俺も様子見てるからさ」 なおみ 「うん。ありがとう」 その日から何日かして、再びなおみが純一に話し掛けたが、やはり冷たくあしらわれ、そのことを孝行に話した。 なおみ 「孝行…、やっぱり冷たいよぅ、純一くん」 孝行 「そうか。俺もそれとなく見てたけど、お前完全に無視されてるよな」 なおみ 「そうでしょ?どうしてなのかなぁ。私、どうしていいのかわからなくて…。純一くんとはずっと友達でいたいし…」 孝行 「…わかったよ。今度はもっと真剣に聞いてみるよ」 なおみ 「うん、お願いします」 なおみは、孝行に向かって深々と一礼した。 孝行も、なおみのためになにかしてあげられるのが嬉しかった。 その日のクラブ終了後、部室で着替え中に、孝行は純一に、もう1度なおみのことを聞いてみた。 孝行 「純一、なおみがまた言ってたぞ。やっぱり冷たいって。めちゃ深刻に悩んでた」 純一 「…」
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