夕陽の中で 第4章

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孝行 「お前となおみの間になにかあったんじゃないのか?」 純一 「…」 孝行 「なおみ、泣いてたぞ。お前とは友達でいたいのにって」 純一 「…なんでもないよ」 孝行 「あれだけなおみ、なおみって言ってたお前がさ、急に変だよ。何か悩んでるのか?話してみろよ。すっきりするぜ」 純一 「…なおみには言わないって、約束してくれるんなら話してもいい」 孝行 「わかった。絶対になおみには言わない」 純一 「…実は…」 純一は、なおみを無視する理由を話し始めた。それは、純一が実の妹であるなおみを、今でも愛していて、なおみを忘れるために無視しているということだった。 孝行 「えーっ、なんだって!?本当なのか?それ」 純一 「ああ、なおみが事故に遭って入院したとき、お袋と見舞いに行ったんだ。その時、なおみのお袋さんと俺のお袋が話してるのを聞いたんだから、間違いない」 孝行 「そんな事って…。お前もかわいそうなやつだな」 純一 「なおみには絶対に話すなよ」 孝行 「わかったよ。お前のためにも絶対言わないよ」 純一 「サンキュー」 それからしばらく純一との話しは孝行から聞く事が出来なかった。 1学期の期末テストも終わり、いよいよアルバイト開始日。今日から1ヶ月間、四日市への旅費稼ぎのためにアルバイトするのである。クラブ終了後のアルバイトは、かなりきつかった。しかし、なおみは純二に会いたいという気持ちが励みになり、頑張って働いた。 それから半月後、明日から夏休みに入る。しかし、まだなおみは純一に避けられていた。 孝行 「なおみ、こずえ、クラブ行くぞ」 なおみ 「は~い」 こずえ 「なおみ、ごめん。先に行ってて。先生に用事頼まれちゃってさ」 なおみ 「うん、わかった」 孝行 「純一、行くぞ」 なおみ 「あ、純一くん」 純一 「あ?」 なおみ 「あ、あの…」 純一 「なんだよ、早く言えよ」 なおみ 「…どうして?どうして私を避けるの?どうして冷たいの?」 なおみは泣きそうな顔で純一に訴えた。 純一 「…別に、避けたり冷たくしてるわけじゃねーよ。行くぞ、孝行」 孝行 「あ、ああ」 なおみ 「純一くん!」
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