夕陽の中で 第4章

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なおみは、純一が自分に対してなぜ冷たいのか、どうしてもわからなかった。諦めかけていたその日の帰り、なおみは、純一の母親、孝子に会った。 孝子 「あら?なおみちゃんじゃない?」 なおみ 「あっ、おばさま、こんにちは」 孝子 「こんにちは、今帰り?」 なおみ 「はい」 孝子 「よかったら今からうちに来ない?」 なおみ 「すみません。せっかくなんですが、もう少ししたらアルバイトがあるんです」 孝子 「そうなの。残念ね。じゃ、一緒にお茶くらいしない?ねっ、いいでしょ?」 なおみ 「は、はい」 孝子は、なおみを強引に連れて近くの喫茶店に入った。まるで小さい子の手を引くように、なおみの手を引いていった。なおみは、周りを気にして恥ずかしそうにしていたが、孝子の温かい手の温もりが、本当の母親のような錯覚を起こさせていた。孝子にしてみれば、なおみが幼い時に、自分が手を引いてやれなかったから、そうしたかったのだ。 店員 「いらっしゃいませ」 孝子 「ケーキセット2つね」 店員 「ケーキとお飲みものはなにがよろしいですか?」 孝子 「なおみちゃん、何がいい?」 なおみ 「あ、あのー、おばさまと同じもので…」 孝子 「じゃぁフルーツヨーグルトケーキと、飲み物はアイスでね」 店員 「はい、お待ちください」 なおみ 「まだ2回しかお会いしてないのに、こんなによくしていただいて…」 孝子 「何言ってるの。なおみちゃんにはいつも純一がお世話になってるもの。どう?純一と仲良くやってくれてる?」 なおみ 「はい、まぁ」 孝子 「どうしたの?純一にいじめられた?何かされたらすぐに言ってね」 なおみは、孝子があまりにも真剣に自分の話しを聞いてくれるので、嬉しくて泣き出した。 なおみ 「…」 孝子 「あらあら、なおみちゃん、どうしたの?」 注文した物がきたので、食べながら話した。 なおみ 「…おばさま、私…、純一くんに嫌われたかもしれない…」 孝子 「え?どうして?」 なおみ 「純一くん、最近私に対して冷たいんです。話し掛けても無視されるし…」 孝子 「そう。わかったわ。私が叱ってあげる」 なおみ 「おばさま、どうして無視するのか純一くんに聞いてもらえますか?私、納得できなくて…。純一くんの彼女にはなってあげられないけど、友達でいたいから、仲良くしたいから…」
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