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良子
「まぁまぁ、仲のいいこと」
なおみ
「えへへ」
そこへ英雄が帰ってきた。
英雄
「ただいま」
なおみ
「おかえりなさい」
英雄
「なおみ、計画書は書けているのか?」
なおみ
「あともうちょっと。あとで持って行くね」
英雄
「お金は足りるのか?」
なおみ
「大丈夫よ。でもホテル代まで余裕ないし、1人でホテル泊まるのも心細いから、純二さんのアパートに泊めてもらってもいいでしょ?」
英雄
「まぁいいだろう。1人でホテルに泊まるよりは安心できる。竹本くんもわきまえているだろう。くれぐれも間違いだけは起こすな」
なおみ
「わかってるって」
英雄
「1人で行けるのか?」
なおみ
「大丈夫。もう子供じゃないもの。それに冒険するみたいでワクワクしちゃう」
英雄
「好奇心旺盛もいいが、気をつけるんだぞ。スリとか痴漢とか…」
なおみ
「うん」
英雄
「私からも電話しておこう」
なおみ
「じゃ私、勉強してくる」
なおみは旅行する分も宿題しようと張り切っていた。
良子
「あなた、これ、なおみから」
良子は、なおみからもらったお金を、英雄に渡した。
英雄
「何だ?この金は…」
良子
「なおみが、今日バイトの給料日だったんですって。初めて働いて稼いだお金だから、私たちにも使ってほしいって、あの子がくれたの」
英雄
「そうか。そんな事を考えるようになったんだなぁ。嬉しいことだ」
次の日は、なおみが出発する2日前だった。英雄は、四日市北警察署署長の、斎藤寛に電話した。
斎藤
「はい」
受付
「東京港署の北原署長からお電話です」
斎藤
「つないでくれ」
英雄
「もしもし、斎藤?」
斎藤
「おぉ、北原、久しぶりだなぁ。元気か」
英雄
「ああ、お前も元気そうじゃないか」
この2人、まだ警察学校にいた時の同期である。
斎藤
「お蔭様でな。今日はまたどうした」
英雄
「ああ、実はな…」
英雄は、純二の働きぶりや、純二がなおみと付き合ってること、そのなおみが近いうちに四日市へ遊びに行くことを話した。
斎藤
「そうか、竹本はしっかりやっとるぞ。そうそう、竹本のいる捜査課の課長は、お前がよく知ってるやつだ。回すからそのまま待ってろ」
英雄
「ああ」
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