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なおみ
「先生、修学旅行の自由行動、どうなりますか?」
担任
「全体で100点以上下がったら会わせないということだから、まぁいいだろう」
なおみ
「よかった」
担任
「実はな、先生もその竹本と言う人に会ってみたいんだ」
なおみ
「えっ!?」
担任
「先日連絡したんだ。なかなか感じのいい人じゃないか。ついつい話し込んでしまったよ」
なおみ
「どんなこと話したんですか?」
担任
「お前の事だ。彼はお前の事になると、嬉しそうに休む間もなく話していたぞ。さすが刑事だな。素晴らしい観察力だ。彼の話しを聞いていると、お前の性格、仕草、癖など、手に取るように分かって、聞きながら俺も納得してたんだ」
なおみ
「やだぁ、純二さんったら」
担任
「愛されてる証拠じゃないか。そう照れるな。自由行動のとき、先生に彼を紹介してくれ」
なおみ
「はい、喜んで」
担任
「成績の事はまぁ、原因も分かってることだし、今回は家には連絡しないことにしよう。これからは気をつけろよ。池谷もそろそろ人気が出てくる頃だし…。…キス事件の事は、彼は知っているのか?」
なおみ
「はい。すべて話しました。初めは怒ってたけど、起きてしまったことは仕方ないって、許してくれました」
担任
「そうか。優しいんだな」
なおみ
「…はい」
担任
「…わかった。クラブへ行きなさい」
なおみ
「はい」
そしていよいよ修学旅行の日。今夜の夜行で大阪へ出発する。夕方5時に東京駅集合なのだが、もう4時というのになおみはまだ荷物のチェックをしていた。
なおみ
「あれとあれと…」
その頃、玄関の前に1台の車が止まり、孝行が下りてきた。駅へ一緒に行こうと、なおみを迎えに来たのだ。
孝行
「こんばんは」
良子
「はーい。あっ、孝行くん。迎えに来てくれたの?」
孝行
「兄貴が車で、東京駅まで送ってくれるっていうもんですから…」
良子
「ちょっと待ってね。なおみー」
なおみ
「はーい。今行く」
良子
「もうなおみったら、何度も荷物のチェックしてるのよ」
なおみ
「ごめーん、お待たせ」
良子
「薬持った?」
なおみ
「うん」
良子
「竹本さんへのお土産は?」
なおみ
「持った。じゃ行ってきます」
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