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純二は、2人が気を利かしてくれたことに気づいた。そして、こずえにウインクで合図した。
こずえ
「うん」
なおみ
「こずえ、どうしたの?」
純二
「2人きりにさせてくれたの」
なおみ
「…こずえったら。でも、嬉しい」
純二
「気の利くいい友達だな」
なおみ
「うん。あっ、早くボーリングしようよ」
純二
「よし」
ボーリング場とゲームコーナーは、同じ建物の中にあり、隣同士でゲームコーナーからはボーリング場がよく見える。守はゲームをしながら、なおみが気になり、時々ボーリング場の方を見ていた。しかし、それを孝行に気づかれた。
孝行
「守、お前、さっきからなおみばかり見ているだろう」
守
「え!?そんなことないよ」
孝行
「うそつけ!俺、さっきからずーっと見てたんだぞ。諦めろって。お前がかなう相手じゃないよ、純二さんは」
守
「分かってるんだけど…、今もあの2人を見てて思ったんだ。俺のはいる隙間がないって…」
孝行
「そりゃそうだよ。いろんな試練を2人で乗り越えてきたんだからな。俺は2人が付き合う前から、ずーっと見てきたから、わかるんだ。2人の絆はそう簡単には崩れないよ」
その時、突然なおみの大きな声が聞こえてきた。
なおみ
「わーっ、純二さんすごーい。ストライクばっかり」
純二
「コツを教えてやるよ」
そして、なおみの番。純二に優しく指導を受け、ボールを投げると、見事ストライクになった。
なおみ
「キャーッ、ストライクだぁ」
純二
「よし、その調子」
なおみはニコニコしている。それも、普段人に見せないような笑顔で笑っている。
孝行
「見ろよ、あの嬉しそうな顔。俺たちの前じゃ、あんな顔見せたことないぜ」
守
「竹本さん、それだけなおみに信頼されてるんだ」
一汗かいた後、みんなは隣の建物の天然温泉へ行った。今日はまだ時間が早いせいか、人は疎らである。そんな中、こずえたちは、はしゃいでいた。
こずえ
「早く早く」
なおみ
「こずえ、走ると転ぶよ」
こずえ
「だって…、こんな温泉、初めてなんだもん。全部のお風呂に入ろう」
智子
「わーっ、外もあるよ」
なおみ
「もう、まるで子供なんだから」
3人は、タオルを浴槽の外に置き、湯舟に浸かった。
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