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内村君は、いじめられっ子だったの。性格のいいおとなしい子だったんだけれど、優しすぎたのね。命令されると断れずに、いじめっ子たちの言うことをきいていたわ。嫌な顔一つせず、いつもニコニコ笑いながら、命令されたことに従っていたわけ。それが、いじめっ子達にの気に障ったのね。でも、もし逆らったとしてもいじめられたんだろうな。いじめっ子なんて、勝手なもんよ。逆らったら逆らったで、気にくわないって殴られる。従えば従ったで、おもしろくないって蹴り飛ばされる。どっちにしろ、いじめるのよね。あいつら、勝手だから。
それでも、最初は冗談半分だったわ。いじめっていっても、冷やかす程度で本当に周りから見ていてもじゃれているようだった。でも、エスカレートするのに時間はかからなかった。一ヶ月もしないうちに、万引きをさせられたり、お金を持ってこいって言われたりするようになったの。それを断ろうものなら、思い切り殴ったり蹴ったりするのよ。
貴方、内村君がそういうひどい目にあっていたこと、知ってるわよね?
「知ってます。」
知ってたんだ。そうよね、同じクラスだものね。知らないわけないわ。・・・ごめんなさい、話を続けましょうね。
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