プロローグ

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俺は正直ビビった。   が、俺はなりふり構わずそのドアを開けてみることにした。 鍵は掛っていなかったからな。     俺はドアを開けて驚いた。   いや、と言うより今となっては驚きよりもなんで開けてしまったんだろうと言う後悔の方が大きいかもしれないな。   そこには、まだ産まれたばかりの赤ん坊の未熟児なんじゃないかと思うくらいちっさい高そうなグラサンをかけたオッサンがいた。   そのちっさいオッサンはすっぱだかで、まるで、風呂にでも入っているような格好で、洋式の便器の中に溜った淀みにつかっていた。   「……」   俺は愕然と立ち尽くし、言葉が出なかった。   「ちょっ、お前何見てんの!?」   ちっさいオッサンは何故かかなり動揺していた。 多分俺に見られたからだろう。   「いや、別に…」と俺。   それ以外に返す言葉が見付からなかった。   いや、と言うより、初めて見るその生物に対して、何と言葉を返せばいいか解らなかったのだ。 だってどう見ても未確認生物にしか見えんからな。   「だったらやめてくんない!? いつまで見てんのお前!? 早く閉めてくんない!?」   「あ、すまん…」   そう言われ俺はドアを閉めた。   すると、閉めてすぐに何だがブツブツとドアの向こうから愚痴の様なものが聞こえてきたかと思うと、今度はバチャバチャと言う音がした。 俺はまさかとは思ったが、再び閉めたドアを開けた。   やはり、中ではそのちっさいオッサンが淀みの中で溺れていた。 俺は何やってんだコイツと思いながらも、とりあえず助けてやった。   ちっさいオッサンはしばらく咳き込んだあと   「誰かは知らねーが、お前さんは俺の命の恩人だ。是非とも恩返しがしたい」などと発言した。   俺は思わず「…はぁ?」と言ってしまった。   何て言ってもやはり見知らぬ生物には他ならないわけだから、そんなわけの解らんもんに恩返しなんてされても、困るだけだ。 て言うか迷惑だ。   「駄目か?」とちっさいオッサン。   駄目って言うか、その前に、アンタが何者なのか俺は知りたいね。   俺はそう思ったので俺のすぐ足元で立っているちっさいオッサンにそう聞こうとしたら……   何と言うことだ。 ちっさいオッサンは 「あ…」と言ったかと思うと俺の足に向かってションベンをぶっかけやがった。image=242598309.jpg
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