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姉ちゃんの顔は寂しそうだった。 そりゃあそうだ。 姉ちゃんだって、親の最期くらい見たかった筈だ。 なのに…… 「オレは…馬鹿だ」 「葵、開けてみてよ」 姉ちゃんから促されるまま、オレは母ちゃんからの『預かり物』である木箱を手に取った。 箱には麻紐が巻き付いていたので、それをゆっくりと紐解く。 麻紐を全て取り終えると、オレは箱の蓋をそっと掴まえる。 「開けるよ」 「もったいぶらなくていいから早く!」 「はいはい」 オレは、木箱から蓋を取り外した。
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