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「こ、これは!」
「えっ何?何が入ってんの?」
オレの反応に姉ちゃんがやたらと食いついてくる。
でも……
なんでこんなものが…
その木箱に入ってた物、それは――
「勾…玉っていうんだっけ?コレ?」
淡い緑色を放ち、『数字の9』を思わせるような独特の形。
教科書なんかで見たものそっくりな、勾玉(まがたま)が、そこにはあった。
「な、なんなんだろ?」
「さぁ…?」
何故この現代の世に、誕生日プレゼントで勾玉を貰わねばいけないのだろうか。
疑問は残るものの、これが母ちゃんの形見で有ることは間違いはない。
「ま、まぁ御守りだと思って持ってれば?」
流石の姉ちゃんも拍子抜けした様子で、言葉たじたじにそう言ってきた。
「…」
まぁ、御守りと思えば……ねぇ。
「ってか葵!遅刻するよ!」
時計を見るとかなり時間が押し迫っていた。
「ヤベっ!行ってくるわ!」
オレは勾玉をポケットに入れて、颯爽と家を飛び出した。
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