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「……」 思わず瞑ってしまった目をゆっくりと開ける。 すると―― 「ご、ごめんなさい」 オレのチャリの前には―― 幼い顔立ちのショートカットの女の子が、オレを見てそう言った。 女の子が…… ――!! 「あぁっ!だ、大丈夫ですか? オレこそごめんなさい…… ちょっとよそ見してて――」 ヤベェ、朝からついてねぇ。 大丈夫かな? 「ケガとか、してない?」 オレはチャリから降りて、目の前の女の子にそう尋ね、手にあった勾玉をチャリのカゴに入れると、ポケットに入っていたはずのティッシュを無作為に探し始めた。 「いや…あの… 大丈夫ですよ。 ケガとかない…… ――!!」 女の子がそう言いかけたその時、彼女の視線がチャリのカゴに移ったのが見えた。
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