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「殺ス、殺す」
オウムのように繰り返す様子は馬鹿らしいが、そんなナリをしてるくせにスピードはかなり早い。
オレが全力疾走をしているのと、さほど速さが変わらないのだから。
ヤツの速さは衰えることなく、オレに向かってくる。
だけど……
オレは人間だ。
いつまでも全力疾走で逃げられるほど改造されてない。
つまり、オレの足の動きは鈍ってきている。
息も絶え絶えで、余裕もねぇ。
「さ、流石に、ヤベェ……」
っつうか、何でこんなヤツにオレは襲われてるんだ?
あんなのに恨みを買われるほど、オレは顔も広くねぇし、なにより普通に生きてきたんだ。
今日だって――
むしろ、さっきまで普通だったじゃないか……
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