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――2時間前
「葵(あおい)!
起きなっ!」
パシィっという乾いた音がオレの頭に衝撃を与え、甲高い声はオレの鼓膜を刺激する。
「んだよ姉ちゃん…
もう少し優しい起こし方くらいあるだろ?」
朝の最悪な目覚めの中、響く頭を抱えて、片手にスリッパを持って構えてる我が姉――神城 優那(かみしろ ゆな)に物申した。
「なに言ってくれちゃってんの!?
いくら起こしても起きないから最終手段を出したまでよ」
手に持ってるスリッパで自分の肩を叩きながら、姉ちゃんはオレにそう言って歯を覗かせた。
「ってか早く準備しな。
朝の支度終わったら渡したい物有るから」
「渡したい物?」
オレが首を傾げると、姉ちゃんはマジな顔をして言った。
「……母さんからの預かり物」
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