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「あ…、うん。 あ、ありがとう」 普段感謝の言葉を言わないからこそ、オレの言葉が詰まった。 すると、姉ちゃんはそんなオレの態度にクスッと笑いながら、テーブルと膝の間から一つの木箱を取り出した。 「……?」 突然出された得体の知れないものに、オレがやや警戒した表情を見せると、姉ちゃんが静かに口を開いた。 「アンタが――葵が15歳になったらコレを渡してくれって、お母さんから……」 「母ちゃんから? なんでだよ? 姉ちゃんも母ちゃんの最期看取れなかったろ?いつそんな頼まれ事みたいな事されてたんだよ!」
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