前兆

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「所長、また大きな激しい波形がきます。」と山内研究所主任が、目を丸くして言った。 「山内君、あまりあわてるな、幸田先生がすぐ動いてくれている。我々は、冷静にデータを東京に送るんだ。」と所長は返した。 また、小さな揺れを感じた時だった。 「所長、観測点の沼津、清水に異常数値。」と、先程以上に顔面蒼白であった。 「まあ山内君。…」とその観測記録に目を向け、驚愕した。 「山内君、これは数日、いや数時間以内に大地震が起こる数値だよ」と、さすがに狼狽した。しかし、すぐにとり直し受話器をとった。
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