落ちた

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「希望っ」 部活も辞め、早い電車で帰り始めたあたしは、毎日コイツと顔を合わせるようになった。 中学のとき親友だった、佐藤由宇(ゆう)。猫目で、青っぽい瞳。前世は猫だったんじゃないかな、なんて考える事もしばしば。 「トイレに携帯はめちゃったぁ」 笑顔で話し掛けて来たと思えば、急に涙目。コロコロと変わる表情を見て、あたしは楽しんでいる。 由宇と話している時間が、唯一退屈しない時間なんだ。 本人には言えないけどね。
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