落ちた

9/43
前へ
/199ページ
次へ
ちょっと待ってよ。このままじゃ、あたしまでマンホールに落ちちゃうじゃん。 少しずつ、穴に近づいていく。必死に耐えようとするが、風の力は強烈で負けてしまう。 「助けて」 また誰かの声が聞こえる。助けて欲しいのは、こっちだって。泣きたくなるのをこらえ、今は必死に耐える。 もう、ダメだ…。 諦めた時だった、風が止まったのは。 遅いっつーの。 風が止まった時には、既に体重は穴に持って行かれていた。 「いやーっ」 こうして、あたしはマンホールに落ちたんだ。 物語の始めってさ、何々しなければ、こんな事にはならなかった…とか、でしょ? これってほぼ強制じゃない!
/199ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加