封印の紋章

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マズい。魔法によっては、このまま死んじゃうかもしれない。魔法陣を確認し、なに属性の魔法なのか知ろうとしたが始めてみる種類のもので、なに属性であるのか分からない。 玲菜さんの髪の毛が魔法発動時に起きる風になびいている。 パッと魔法陣が強く輝き、丸い魔法陣の縁から白くぼやけた膜のようなものが出て、玲菜さんを中心に女神像やぼくを巻き込んで辺りを包み込んだ。 白い膜の防御壁のようなものだろう。ドーム型の防御壁。敵を防ぐための魔法だろうか。彼女が使うのは、防御魔法? とりあえず、今ここに生きていられることにほっとする。 赤毛の少女はその防御壁を拳でコンコンと叩き、ため息をつく。 「バリアー?面倒な術使ってくれるわね~。ロリエ、やっちゃって」少女はそう言って、隣にいる二十歳前後の男性に命じる。 ロリエと呼ばれた男性は、片手をこちらへ向ける。陣のない魔法。手っ取り早い攻撃魔法だろう。 案の定、ロリエと言うなの男性の手のひらが閃光し、青と黒の霧の様な闇のようなものが襲って来る。それはとても巨大な魔法で、ぼくたちを覆い尽くすように渦巻く。 「わ」ぼくは小さく叫ぶことしか出来なくて、頭を抱えその場に屈む。 しかし、これといって何も起こらない。 目をあけると、防御壁が見事に彼の攻撃を阻んでいる。 「なめないで。あなたたちなんかにこの防御壁は破けないわ」
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