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長い廊下の先に広いホールがあって、女神さまの像はそこに奉られている。
ぼくは女神さまの像の前まできて、小さく息を吸う。
相変わらず美しい姿。純白の石の繊細な彫刻。芸術だ。
ぼくたちがハームテスと呼んでいるこの世界には、昔から魔王の存在がある。姿も名も誰も知らなくて、みんなはその存在にデビジャと言う名をつけた。
デビジャは世界を破壊しようとしていた。世界中にデビジャの下部、モンスターたちを送り込み、世界を破壊し、偉大な魔術師たちを殺してまわった。
世界を救おうと立ち上がった人たちも次々と殺されていく。
その中で、教団の聖女にして有能な魔術師であったユリアというまだ若き女性だけがデビジャと向き合うことが出来た。
聖女ユリアはデビジャとの苛烈な戦いの末、最後の力を振り絞りその命を犠牲にしてデビジャを封印した。
そのユリアこそ、ぼくたちが女神とよぶ女性。
世界中が彼女を称え、感謝し、尊い、彼女の死を心から悼んだ。
ぼくは彼女を尊敬している。こうして女神さまの像を眺めることが出来るだけでも感激だ。
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