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ぼくは彼女のように、強い人間になりたい。
魔王デビジャが滅んだのも、もうずっと昔の話。だけど世界にはまだモンスターの残党がいて、みなその残党の討伐にいそしんでいる。
モンスターに苦しんでいる人たちはまだ沢山いる。だから、ぼくも強くなって、みんなの役に立ちたい。
ぼくは女神様の像を見ながら、「がんばります、ぼく」と決意を示した。
「~♪」
ぼくは今日も女神さまを見れたことで満足し、踵を返した。
その時、教会内にある扉が開き、カツ、カツ、とヒールで歩くような足音が聞こえた。
ぼくは足を止め、足音の先を眺める。扉から現れたのはブロンドの長い髪をした綺麗な女の子で、彼女は真っ直ぐとひかるの方へと歩いて来る。
どこか気の強い印象を与える彼女に威圧を感じ、ぼくは少し後ずさる。
「あ…あの」
ぼくはオドオドと向かってくる彼女に声を掛けたが、彼女はぼくを無視し、そのまま女神像の前へと歩いて行く。
てっきり自分にようがあるのかと思って声を掛けたものだから、勘違いした自分が恥ずかしくなった。
あの女の子も、女神さまにお祈りをしにきたのだろう。
ぼくはなんだか少し彼女のことが気になって、彼女を見る。
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