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それにしても、上之宮玲菜って子、司教さまに会えるだなんて。やはり名家の生まれはすごいな。
でも、何の用があるのだろう。
そんなことを考えながら廊下を走っていると、タシッ、タシッ、と間隔を開けた足音のようなものが聞こえた。
ぼくは足を止めて周りを見渡すが、誰もいない。聞き間違えたのかな。
しかし、また物音が聞こえ、上を向いてみると何か人影のような物が壁と壁を飛び跳ねて女神さまの間の方へと向かっていく。
「えぇ?なに?」
ぼくは急いで奥へと向かう。
女神さまの間を目前に、「だれか来て!!」と大声で叫ぶ玲菜さんの声が聞こえた。
ぼくは急いで彼女の元へと向かう。
中へ入ってみると、倒れる神官たちと、玲菜さん、それから彼女とにらみ合う赤毛に短いツインテールの少女と、目つきの鋭い二十歳前後の男性がいた。
赤毛の女の子の両手には曲を描いた両刃の短剣が握られている。双剣というやつだ。
なにが起こっているのかわからないけど、今玲菜さんが危ないということだけは分かった。
赤毛の少女は「峰打ちなんてしてやんないんだからね、教団なんかに」と言って剣を構える。
どうしよう、訳が分からない。
「だ、だめだよ!!」ぼくがそう言いながら玲菜さんの方へと走ると、玲菜さんの真下に魔法陣が出現し、そこから魔法が出現する。 魔法を発動したのは玲菜さん自身だろう。
ぼくは魔法陣の中まで勢いづいて突っ込んでしまい、魔法に巻き込まれる。
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