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「な……何……? 借金取り!?」
「も、もしそうなら、私に任せてくださいね。お金なら……」
「君達さ、僕にどんなイメージ持ってんのさ」
呆れながらそう言って、僕は立ち上がる。
台所を通って、玄関戸の前で立ち止まった。
一週間前、異層空間で彌夜と別れる時、僕はポケットから取り出した紙に持っていたシャーペンで簡単な地図をかいて彼女に渡した。
ボロ小屋から僕のアパートへの行き方をかいてくれと彼女にわたされた紙だ。
本当に僕を信じてくれるなら、いつでも遊びにきてよと伝えてそれを渡しておいたんだ。
ゆっくりとドアを開いた。
恥ずかしそうに体の前で手を組んで俯いている、銀髪の少女が立っていた。
僕は彼女に、優しく微笑みかけた。
「いらっしゃい。迷わずに来れたんだね」
「……うっさい」
らぶばと! 完
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