1166人が本棚に入れています
本棚に追加
「もうすべて終わりよ」
渡辺巡査部長がそう言いながら菜月に銃口を向ける。
「これ以上私に生きる意味なんてないのよ。あなたたちを殺してから私も死ぬ。それで全て終わりにするわ」
「それが彼の──大石が望んでいることだと本気で思ってるんですか」
優哉の声に渡辺巡査部長が反応した。
「渡辺さん、それは間違ってます。死んだ人は帰ってきません。だからこそ死んだ人の分まで生きるのが残された者の務めなんですよ」
諭すように優哉が話した。
「君に何がわかるの!大切な人を奪われた私の気持ちが君に分かるわけない!」
鋭い目付きで優哉をにらみながら渡辺巡査部長がそう言う。
「僕にも分かります!僕にも渡辺さんと同じように大切な人を失ったことがありますから」
これまでとは違う強いトーンで優哉がそう言った。
最初のコメントを投稿しよう!