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「しかしこの直後に犯人と思われる人物が廊下で福山さんとぶつかるということが起きてました。つまり僕たちの目を欺いて犯人が現場から立ち去ったということです。このことがこの事件で1番の難題でした」
ホテルの一室という狭く限定された場所で人間2人の目を欺いて姿を消す方法がどうしても分からず優哉の捜査は難航した。あれを見つけるまでは……
「そんな方法があるとでも?」
渡辺巡査部長が自身ありげに優哉に言う。よほどトリックに自信があるのだろう。
(まあその自信も今限りだ)
優哉は彼女の問いににやりと笑いながらそう言った。
「ありますよ。それが分かったから僕は今ここにいるんです」
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