真相Ⅰ 犯人消失の謎と僅かなミス

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「さらにあなたのこともある筋を使って調べさせてもらいました」 ある筋とはむろん警察庁刑事局長─優哉の父親である博幸のことだ。 「その結果、非常に興味深いことが分かりましたよ。あなたには弘孝(ヒロタカ)という弟さんがいるそうですね。しかも現場であるホテルに勤めている」 優哉が微かに笑みを浮かべながらそう言う。 「それだったら…ホテルの鍵を持ち出すことくらいなんてことないですよね。坂田を殺したのは弟さんであなたがそれを指示した。違いますか?」 優哉はそう彼女に言い放った。 優哉の言葉に彼女─渡辺巡査部長は沈黙を続ける。 「だんまりですか……まあいいでしょう。なら決定的な証拠をお話ししましょう」 いよいよ優哉の推理が最終楽章へと入った。
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