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「そんなのは八つ当たりじゃないですか。それに、どんな悪人であろうとも殺して良いなんてことはありません。大石がそれまでどんな善人であったとしても、殺人を犯した時点で許されざる犯罪者に変わりはないんですよ。そして罪を犯したものはその罪を償う義務があるんです」
優哉がそう言ったとき、銃声が響き、優哉の足元の床に銃弾が落ちた。
とっさに優哉が振り向くと、先ほど優哉が気絶させた男が拳銃を持ってそこに立っていた。
「さっきはよくもやってくれたな」
その男が優哉に向かって言う。
「あなたが渡辺さんの弟の弘孝さんですね」
優哉が男に言う。
その男──渡辺弘孝は優哉の問いに答えず、持っていた拳銃を姉に渡した。
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