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脱がし終えると、レースやフリルをあしらった、可愛らしい服を取り出し、ウルに着させた。
「きゃぁ。かわいいわぁ」
アウネリスが子供のようにはしゃぐ。
「他に着たい服あるかしら? 今日は新しい服もあるのよ」
「マムが好きなのを着せてくれれば、おれも、うれしいよ」
「まぁ。ウルやさし~」
少女のウルで、着せ替え遊びをするアウネリス。これが二人の日課だ。
「今日のお仕事は、どうだった?」
「自我を保てない、低能な魔族狩りだった」
「ああいうのは、力の差を測れないほど愚かだから、あたり構わず攻撃してくるでしょ?」
「うん」
「大変だろうけど、ウルはがんばってて、偉い、えらい」
「えへ。マムがそう言ってくれるから、おれ、がんばれるんだよ」
ウルは、アウネリスに創られた、戦闘能力の高い人形だ。
魔力による物質構成能力に長けたアウネリスは、遊び半分でウルを創った。
それが、アウネリスより身分の高い者たちに評価され、ウルは試作品として、観察されている。
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