忘れてしまう物・・・・

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「ねぇ?何処に行くの?信ちゃん」 志穂が涙目になりながら 聞いてくるが今はとりあえず歩く 「ねぇ、てば」 「とりあえずついてこいよ」 志穂が怖がるのも当然だ 今歩いている道は「道」ではない 木々を掻き分け進むこの森を抜ければ 「この丘を登ったとこだ」 森を抜ければ丘に出てくる 志穂と俺は丘のてっぺんの巨木を目指した。 「着いたな」 「スゴーイ!!夕焼けだー」 なんとか間に合った。 ここは、俺のとっておきの場所だ 後ろは街が見えるし前は海が見える 「すごいだろ?これが志穂に見せたかったものだ」 「それなら、もうちょっと普通な道がいいよ」 「それは志穂が遅れるからだろ」 志穂は約束の時間を1時間も過ぎてから着いた。 本人は「だって、寝てたんだもん」 っと、言っているが遅れた事には 変わりは無いわけなのだが 「まぁいいや、っさ帰ろうか」 もう少しで日が沈んでしまうので もう、降りる事にする 家の前まで来ると志穂が 「また、連れて行ってくれる?」 と聞いてきたので俺は 「もちろん」っと答えた。 何故ならこの景色はもともと志穂に見せたかったために 用意していたのだから 「また明日」それだけ言うと 二人はお互いの家に帰った。
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