忘れてしまう物・・・・

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学校に着くと、とりあえず教室に向かった。 一時間目のチャイムが鳴ると、生徒は忙しく席に着く。先生が入ってくると同時に入ってきた生徒が一人いた。 「セーフだよな!? 先生!」 「ああ、一応な」 ギリギリに入ってきた生徒は、俺の横に座り声をかけてきた。 「また、ギリギリだったぜ」 「お前はいつもギリギリだな、もう少し早く来たらどうだ?」 俺の横に座っている奴は、俺の友達の秋沢拓哉。 いつも遅刻寸前の登校をしている。 「仕方ないだろー俺は朝が弱いんだ」 「なら、早めに起きろ」 「へいへい」 なんて言う、くだらない話をしていると先生が話をしだした。 「あー、再来月の日曜日にある文化祭の事だが………まだうちのクラスだけ出し物が決まっていない、てな訳で勝手に決めてくれ以上」 ………………。 「まじか? あのオッサン?」 文化祭の出し物が決まっていないのは、知っていたが、それでも勝手に決めろは無いだろ? 「なぁ、どうするよ? 出し物?」 「俺に聞くなよ俺に」 どうするも何も、とりあえず委員長が前にでた。 去年も文化祭はあったが、その時は、先生が勝手に決めていた。 そして、あーだこーだ言っているうちにいくつかの、意見が出ていた。 その中でもっとも票が多かったのは………。 「はぁ? 演劇?」 「おう、しかもお前が主役だってよ」 「あり得ねえ………つうか演劇なんて、やったことないぞ?」 「まぁ、それは誰でも同じだろ?」 確かにそうではあるが、どちらかと言うと、やりたくはないのだが………。 相手役がアイツだから仕方がない事ではあるが、その相手はと言うと、 「すごーい、志穂がやってもいいの!?」 てな風に騒いでいる。 (まぁ相手が志穂だから良いか) 心の中でそう想い引き受ける事になった。
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